360年、毎日が創意工夫 歌舞伎座舞台株式会社360年、毎日が創意工夫 歌舞伎座舞台株式会社

 

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1月歌舞伎座公演の「道具調べ」の様子をご紹介します。「道具調べ」では、本番通りに道具を飾ってきちんとできているかを確認したり、手直しをしたりします。舞台の転換担当者、絵描き、塗り方、製作など、普段はばらばらの場所で仕事をしているみんなが歌舞伎座に集結し、心をひとつにして動いていきます(独特の活気があります)。

道具調べ

『石切梶原』の鳥居。今回は石の鳥居ですが、役者さんによって赤(朱)にする場合もあります。

道具調べ

舞台に道具を飾った後、塗り方が手直しをしています(いじけているわけではありません)。

 

道具調べ

息を合わせて大きな道具を動かしていきます。細かく指示をしなくても、それぞれが判断しながら動いていきます。

 

道具調べ

大道具で働いていると、大きな道具を早く安全に「運ぶ」という技術がしぜんと身体にたたきこまれていきます。この写真は、舞台転換をまとめている2人が「道具調べ」の合間に打ち合わせているところです(ひょいと持っていますが、これもそんなに軽いものではありません)。

 

壽初春大歌舞伎 平成26年1月2日(木)~26日(日)
http://www.kabuki-bito.jp/theaters/kabukiza/2014/01/post_70.html

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2013.12.29

日本橋三越本店と銀座三越のお正月の催事「三越新春祭」のために「松羽目(まつばめ)」の背景画を製作させていただきました。お正月のイベント期間中に一般のお客様にもご覧いただけます(詳しい日程や場所は以下をご覧ください)。
また銀座三越では弊社の絵描きが「松羽目」の最終仕上げを実演するイベントもあります。
お正月にお出かけの機会がございましたら、ご覧いただけましたら幸いです。

銀座三越「三越新春祭」

銀座三越「三越新春祭」の展示(9階テラスコート)。手前の展示は、歌舞伎の衣裳です。1月2日の11:30より絵描きが最終の筆入れをするデモンストレーションが行われます。

【銀座三越 絵描きによるデモンストレーション】
日時:1月2日(木)11:30より
場所:9階テラスコート
*見学自由(特に予約などは必要ありません)
*時間などは変更になる場合もございます。詳しくは三越までお問い合わせください。

この松羽目の製作の様子を以下にレポートしていますので、よろしければご覧ください。

三越新春祭のための「松羽目」製作レポート(2013.12.20 公開)
http://kabukizabutai.co.jp/saisin/news/946/

<< 三越新春祭 概要 >>

日本橋三越本店

*1月3日(金) 13:30より本館1階 中央ホールの特設舞台にて坂田藤十郎丈によるトークショーが開催されます
*弊社が製作した「松羽目」は1月2日から1月7日まで、本館1階中央ホールに展示される予定です
*松羽目を製作する様子を記録したビデオの上映も行われます

三越銀座
*弊社が製作した「松羽目」は12月27日から1月5日まで、9階テラスコートに展示される予定です

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2013.12.27

2014年1月の歌舞伎座、壽初春大歌舞伎に『松浦の太鼓』が出ますので、少し道具をご紹介します。
『松浦の太鼓』は忠臣蔵外伝物の人気作で、赤穂浪士の吉良邸討入りの前日から当日を描いたお芝居です。今回ご紹介するのは、その最後の場面である松浦邸の玄関先です。まずは、道具帳をご覧ください。

『松浦の太鼓』松浦邸の玄関先の道具帳

『松浦の太鼓』松浦邸の玄関先の道具帳

この玄関部分の製作の様子を以下にご紹介します。

『松浦の太鼓』

玄関部分を「引き枠(ひきわく)」に組んでいるところ。

ふすま

ふすまの図案は、立涌に菊です。ちなみに『魚屋宗五郎』で、宗五郎の妹を手打ちにした旗本の玄関も似たようなスタイルです(ふすまの模様も立涌に菊の図案)。

舞良戸

赤い矢印は「舞良戸(まいらど)」といいます。一般の建築物にも舞良戸はありますが、歌舞伎の大道具ではそのエッセンスを取り出して芝居の世界にふさわしいようにアレンジをしています。 たとえば、本物の舞良戸はもう少し桟(さん)の目が細かいのですが、芝居の世界では、ぱっと見てそれとわかるように、桟の目を粗くし黒い縁をつけてあります。建具の幅も広いと邪魔になるので、細めにしています。

『松浦の太鼓』の演目解説(歌舞伎人HP)
壽初春大歌舞伎 平成26年1月2日(木)~26日(日)
http://www.kabuki-bito.jp/theaters/kabukiza/2014/01/post_70-Highlight.html

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2013.12.20

日本橋三越本店と銀座三越のお正月の催事用に「松羽目(まつばめ)」の背景画を製作することになりました。松羽目は、『勧進帳』や『船弁慶』などの演目に使われるもので、大きな老松を描きます。今回は催事スペースに合わせて歌舞伎座の舞台で使われるものよりも小さいサイズに仕上げ、お正月に一般公開されます。また、会場では製作風景のメイキングビデオが上映されたり、絵描きが現場で最後の筆を入れて完成させるというイベントなども予定されています。お近くにお出かけの際がありましたら、ご覧いただけましたら幸いです(三越新春祭のイベントの詳細については、まだ公式発表はされてないようです。また改めて、ご案内いたします)。

製作の様子を以下にご紹介します(2枚の松羽目を並行して製作しています)。

下絵

まずは「羽目板」と呼ばれる板を描いていきます(奥の作業)。羽目板を塗りおえたら、松の下絵を描きます(手前の作業)。

羽目板を塗る

「羽目板」を塗る作業。歌舞伎座舞台では、ふだんは塗方(ぬりかた)が担当しますが、今回は絵描きが受け持ちました。

松を描く

4〜5人が同時並行で松を描いていきます。

完成

完成した松羽目。お正月に現物をご覧いただけましたら幸いです。

絵の具の下準備

絵の具を準備する作業。色みや絵の具の固さを調整するなど、描きはじめるまでの準備も大切です。

バケツ洗い

絵描きの仕事では、絵の具が入ったバケツを手に持ちながら描いていきます。1日のうちに何色も色を使いますので、かなりの数の汚れたバケツが出ます。それを洗うというのも大事な仕事で、新人の2人がもくもくと流し場で洗っています。こうしたなにげない作業のなかからも、学びはたくさんあるといいます。

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2013.12.16

今年の4月2日に新しい歌舞伎座が新開場してから、興行も9カ月目に入りました。 今月(12月)8日の昼の部で、ご来場のお客様が100万名様に達したそうです。これを記念し、8日の昼の部にご来場のお客様に、歌舞伎座から御礼の品が進呈されましたが、私たち大道具も同じ記念品を頂戴しました。

記念品

12月8日にお客様に配られたものと同じ品。(『仮名手本忠臣蔵 三段目』の松の間の襖をバックに撮影)

私たち大道具もお客様により一層喜んでいただくために、これからも仕事にはげんでまいります。

*12月8日の歌舞伎座の様子については以下のニュースをご覧ください。
歌舞伎美人 ニュース
歌舞伎座ご来場者数100万名様を達成
http://www.kabuki-bito.jp/news/2013/12/100wo.html

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2013.12.14

12月12日(木)から歌舞伎座ギャラリー(歌舞伎座タワー5階)にて、「歌舞伎 雪景色から早春へ」展がはじまります。私たち大道具も、道具帳の展示や背景の飾りなどでお手伝いをさせていただいております。今回の展示では、歌舞伎で降らせる雪の体験コーナーがあり、大道具の雪かごを展示しています。ご来場者のみなさまも雪を降らせてみることができます。ぜひおでかけくださいませ。

以下の写真は「歌舞伎 雪景色から早春へ」展の仕込み風景です。まだ小道具の展示などがされていないなど、本番の展示と異なるところがあります。あらかじめご了承ください。また、写真にはありませんが、衣裳などを展示したスペースもあります。

歌舞伎座ギャラリー

歌舞伎座ギャラリーを入ってすぐの展示室です。天井は大道具で「ヤートコセ」と呼んでいる紅白の梅の枝を飾っています。

道具帳

雪にまつわる演目の道具帳の実物も展示しています。ちなみに、今回のポスターになっている雪の風景は『恋飛脚大和往来 新口村』の道具帳です(すごく見えにくいですが、中央列の一番上の道具帳)。

雪かご体験

「雪籠体験処(ゆきかごたいけんどころ)」。ひもを引っ張って、天井に吊るされた籠からハラハラと雪を降らせることができます。

かつて雪を降らせる際は、どこの劇場でもこの雪かごを用いていましたが、現在はネットを使って雪を降らせるやり方が主流となっています(12月の歌舞伎座公演『仮名手本忠臣蔵 十一段目』もネットを使っています)。しかし、雪かごならではの良さもあり、歌舞伎座舞台では舞台の一部分だけに雪を降らせたい場合などに、この古風なやり方を残しています。

■■■ 「歌舞伎 雪景色から早春へ」展覧会 概要 ■■■

ちらし

【日程】
2013年12月12日(木)~2014年3月2日(日)
※12月30日(月)~1月3日(金)、1月23日(木)は休館
※12月15日(日)17:00閉館(最終入館16:30)

【開館時間】
10:00~18:00
※最終入館は17:30まで

【入場料(税込)】
一般:500円(小学生未満無料)
団体:400円(20名様以上)

歌舞伎座ギャラリーについての詳しい情報やお問い合わせ先については以下をご覧下さい。
松竹株式会社 歌舞伎座ギャラリー
http://www.shochiku.co.jp/notice/play/2013/11/009218.html

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2013.12.11

この度、弊社の芝田正利が舞台監督の金一浩司氏とともに、第19回ニッセイ・バックステージ賞を受賞しました。ニッセイ・バックステージ賞は舞台技術を裏から支え、優れた業績を挙げている舞台技術者に光を当て、その苦労に報いるために公益財団法人ニッセイ文化振興財団が創設した賞です。芝田正利については、ツケ打ちの最古参として歌舞伎座を中心に活躍し、さらに後進の指導育成にも尽力するなど歌舞伎の発展に寄与していることが受賞理由となりました。

2013年11月26日、日生劇場(東京・日比谷)において贈賞式が行われましたので、その様子をご紹介いたします。

※ニッセイ・バックステージ賞の詳細はこちらをご覧ください。

ニッセイ・バックステージ賞

第19回ニッセイ・バックステージ賞 贈賞式(日生劇場の舞台にて) 公益財団法人ニッセイ文化振興財団理事長の田口 弥 様より賞状、賞品、目録などが贈呈されました。

ニッセイバックステージ賞

(写真左)市川左團次丈より御祝辞を賜りました。そして左團次丈の見得に合わせて、芝田がツケを打つというサプライズも。これは左團次丈による粋な計らいで、この後、ツケを入れずに見得をするとどうなるかを実演され、ツケの効果を丁寧にお話くださいました。(写真右)推薦者の坂東三津五郎丈も、体調が回復され会場にかけつけてくださいました。前列左より坂東三津五郎丈、市川左團次丈、後列、芝田正利夫妻。

芝田正利

受賞者インタビューの様子。大道具の仕事をはじめたきっかけや、ツケ打ちの稽古の思い出などを語りました。

ニッセイ・バックステージ賞

会場となった日生劇場のロビーには、金一浩司氏と芝田正利の写真も展示されました。

<受賞に関するメディア掲載>

歌舞伎 on the web トピックス記事
歌舞伎座舞台(株)芝田正利氏に第19回ニッセイ・バックステージ賞が贈られました
http://www.kabuki.ne.jp/cms/topics_20131201_684.html

2013年11月18日の読売新聞(朝刊)
ニッセイ・バックステージ賞を受賞した歌舞伎のツケ打ち 芝田正利さん

2013年11月21日の日本経済新聞(朝刊)
刻む拍子柝 歌舞伎に活気 役者の見得に効果音 「附け打ち」の最古参 芝田正利
日本経済新聞社のホームページ http://www.nikkei.com/

2013年11月27日の産経新聞(朝刊)「きょうの人」
歌舞伎「ツケ打ち」でバックステージ賞 芝田正利さん(69)
見得生かす技「役者さんに育てていただいた」
産経新聞のホームページ http://sankei.jp.msn.com/entertainments/news/131126/ent13112621460011-n1.htm

芝田正利

2013年10月 歌舞伎座にて撮影

芝田正利(しばた まさとし)
ツケ打ち、大道具方
昭和19(1944)年、東京都江東区生まれ。長谷川大道具株式会社(現・歌舞伎座舞台株式会社)に勤める兄の勧めで昭和40年に同社の臨時雇用となり、翌年に正式入社。大道具の飾り込みや転換作業、経師、幕引きを担当。その後、菊五郎劇団付きのツケ打ちだった中村藤吉に師事。昭和45年11月『通し狂言 伽羅先代萩』で歌舞伎座のツケ打ちとして初舞台。歌舞伎座、舞踊会、海外公演などでツケ打ちを担当。飾り込みや舞台転換の際は、円滑に作業を進めるための指揮も執る。
平成9年第十三回日本舞台芸術家組合賞受賞。平成19年日本俳優協会再建立50周年記念永年功労者表彰。日本演劇興行協会における「平成21年度助成事業」表彰。平成24年度文化庁長官表彰。平成25年第19回ニッセイ・バックステージ賞受賞。

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2013.11.26

歌舞伎座では11月、12月に二ヶ月連続で『仮名手本忠臣蔵』が上演されます。知っておくと観劇がちょっと楽しくなる豆知識をご紹介します。

今回は「三段目」の進物場(しんもつば)の門にご注目いただきたいと思います。客席から見ると平面のようにも感じるかもしれませんが、立体で作られており、城郭などによく見られる高麗門という形式で作られています。大道具では、この門のことを「エヘンバッサリの門」と呼んでいます。お芝居をご覧になった方はすぐに察しがつくと思いますが、この場面では鷺坂伴内と中間(ちゅうげん)たちが加古川本蔵がやってきたときに襲いかかるお稽古をするという滑稽なやりとりがあります。伴内が「エヘン」とせきばらいをしたら、それを合図に中間たちが「バッサリ」と斬りかかる、つまりその台詞から「エヘンバッサリの門」という呼び名となっているというわけです。

『仮名手本忠臣蔵 三段目』進物場の道具帳

『仮名手本忠臣蔵 三段目』進物場の道具帳

 

進物場の門

進物場の門。上演中以外は、こんな風に格納されています。門の前に置かれているのは、辻あんどん(常夜灯)です。

ちなみにこの門は、製作課が立体を作り、塗り方(第二美術課)が色を塗ったり瓦を描いたりして作られます。

製作課 インタビュー
http://kabukizabutai.co.jp/seisaku/

塗り方 インタビュー
http://kabukizabutai.co.jp/daini_bijyutsu/

歌舞伎 on the webに『仮名手本忠臣蔵』のストーリーや人物相関図、観劇のポイントなどを紹介したページがあり、伴内と中間たちの「エヘンバッサリの場面」の写真も掲載されています。

歌舞伎 on the web 歌舞伎演目紹介 仮名手本忠臣蔵
http://www.kabuki.ne.jp/enmokudb/enmoku0001/outline.html

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2013.11.23

11月、12月の『仮名手本忠臣蔵』の上演に合わせて、土産物店が並ぶ「木挽町広場」(歌舞伎座・地下2階)も忠臣蔵の世界を表現し、公演を盛り上げることになりました。弊社では、忠臣蔵をイメージしたバナーやなまこ塀など製作させていただきました。

木挽町広場

設営の様子。なまこ塀の製作は、製作課が大工仕事で形をつくり、第二美術課(塗方)が色を塗りました。間近でご覧になってみると、面白いかもしれませんね。

 

忠臣蔵まつり

2人とも第二美術課(塗方)です!

木挽町広場

天井近くの赤と白のバナーも、弊社が担当しております。

木挽町広場

こちらのなまこ塀には、来年のカレンダーがずらり。歌舞伎座で観劇なさる方も、そうでない方も木挽町広場で忠臣蔵の世界を楽しんでいただけましたら幸いです。

 

忠臣蔵まつり

たくさんのお店が出店しております。お近くにお越しの際は、ぜひのぞいてみてくださいね。

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2013.11.01

歌舞伎座では11月、12月に二ヶ月連続で『仮名手本忠臣蔵』が上演されます。知っておくと観劇がちょっと楽しくなる豆知識をご紹介します。

今回は「出投げ(でなげ)」について詳しくご紹介します。
『仮名手本忠臣蔵 三段目』では前半が「進物場」、後半は「喧嘩場」とも称される「松の間刃傷の場」となり2つの場面があります。前半から後半に舞台が転換する際に「出投げ」があります(前触れなく、はじまりますのでお見逃しなく! 上手側から投げます)。
「出投げ」は舞台に上敷(じょうしき)と呼ばれる長いゴザのようなものを敷きますが、観客の目の前で丸めてある上敷を投げるようにして一気に舞台の端から端まで敷き詰めます。

以下は、「道具調べ」の際に撮影した「出投げ」の練習風景です。

出投げ

「道具調べ」での出投げ。先輩陣が心配そうに見守っています。出投げをする人は「たっつけ」という黒い衣裳を着ています。

 

出投げ

出投げの後には、先輩からさまざまなアドバイスが!

 

出投げ

下手側で控えている補佐役にも技量が必要。こちらにも細かなアドバイスが出されています。

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2013.10.29
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