360年、毎日が創意工夫 歌舞伎座舞台株式会社360年、毎日が創意工夫 歌舞伎座舞台株式会社

社員紹介
先輩×後輩インタビュー

各職場で働いている社員が、日々の仕事内容や現場の雰囲気、入社当初の様子などを語りました。

「職場をつなぐ」

公演物流課 
スムーズな管理と運送で
全体をバックアップ

先輩:清本辰徳

昭和58年生まれ。公演物流課主任。デザイン系などの仕事を経て、26歳のときに入社。現在10年目。

後輩:佐藤祐樹

平成4年生まれ。動物の専門学校を卒業後、平成28年に入社。公演物流課に配属され、現在4年目。

公演物流課は、どんな仕事をしていますか。
清本:この部署は、やっていることが多岐にわたるので説明するのがちょっと難しいのですが、主に3つの要素があります。倉庫で道具を管理する、各部署と連絡を取り合って道具を運ぶ、それから俳優さんの自主公演や市民歌舞伎、学生歌舞伎などでは、舞台で道具の転換や、幕引きも担当します。他の部署は、絵を描くとか、転換をするといった専門の仕事をしていますが、僕たちは何でもやる、といったイメージでしょうかね。
※転換:舞台で大道具を運んでセットする、上演中に動かす、片付けるなどの仕事。詳しくはこちら
※幕引き:歌舞伎で使われる、横に開く幕を開け閉めする役割。詳しくはこちら
具体的には、どういう作業をするのでしょうか。
清本:倉庫に収納されている、たくさんの大道具を整理・管理し、他の部署から「これを運んできて」と言われたらトラックに載せて届けます。
歌舞伎座で使う大道具は、千葉県の松戸にある工場で作られていますが、スペースの関係もあるので、歌舞伎座に運び込むタイミングも大事なんです。そのため各課と連絡を取り合い、いつ「もの」を動かすのが効率がよいかも調整しています。
佐藤さんは、今、4年目ですね。入社当初はどんな風に感じていましたか。
佐藤:歌舞伎も見たことがなかったので、最初のうちはわからないことだらけでした。先輩たちが話している言葉がまったくわからず、外国にいるみたいでした。道具の名前も、細かくたくさんあって、それを覚えなくてはなりませんし、一尺とか一寸という尺貫法も、慣れるまで時間がかかりました。
いろいろ苦労もありましたが、職場のみなさんは、さっぱりしていて、言いたいことを、言い合える雰囲気なんです。もともと、あまり人付き合いは得意ではないのですが、わりとうまくなじめました。
先輩として清本さんは、どんな風に指導をしていくのですか。
清本:ここでの仕事は、覚えるまでに結構時間がかかるんです。僕自身もそうでした。ですから、こちらもそのつもりで、ゆっくり育てていきます。ひとつずつ仕事を、やってもらいながら、覚えてもらうという感じですかね。
5年くらい経って、基本的なことがわかるようになったら、少しずつ判断する部分も任せていきます。
佐藤さんも、まじめに一生懸命に取り組んでくれているので、だんだん仕事ができるようになってきました。
清本さんは10年目ですが、どんなところにおもしろさを感じていますか。
清本: 仕事の数を重ねると、歌舞伎が面白くなってきますし、仕事の段取りも早くなってきます。たとえばある演目をやることになったとすると、その芝居がどんな内容なのか、どんな道具が必要で、うちの倉庫にある、あの道具とあの道具が必要だな、とパッと頭に浮かぶようになるんです。それくらいになってからは、本当に面白くなりましたね。
それから、いろいろな方とお仕事をご一緒する機会が多いのですが、仕事が終わった後に「ありがとうございます」と言っていただくことがあります。そういうことも素直にうれしいですね。
佐藤さんは、今はどんな目標を立てて仕事に取り組んでいますか。
佐藤:僕は、覚えることが苦手で、ちょっと逃げていたところもあったんです。でも、それではいけないなと思うようになりました。早く清本さんのように、必要な知識を身につけて、まわりから頼られるようになりたいです。

(この記事は、2019年12月に取材した内容に基づいて作成しています)
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