2015年7月公演、準備風景(その2)
7月歌舞伎座公演の「道具調べ」の様子をご紹介します。「道具調べ」とは、本番通りに道具を飾ってきちんとできているかを確認したり、手直しをしたりするもので、初日の数日前などに行います。

『怪談 牡丹燈籠』の冒頭は川のシーン。スルスルと進む小舟も演技力が必要ですね。この舟は大道具が担当しております。

『怪談 牡丹燈籠(かいだんぼたんどうろう)』。劇中、噺家が登場するという演出で(噺家役は歌舞伎俳優が演じます)、その高座の台を設置しているところです。
2015年7月公演、準備風景(その1)
7月歌舞伎座公演の「道具調べ」の様子をご紹介します。「道具調べ」とは、本番通りに道具を飾ってきちんとできているかを確認したり、手直しをしたりするもので、初日の数日前などに行います。

『南総里見八犬伝』の大屋根です。屋根での立ち回りの後、どーんと屋根が倒れる「がんどう返し」という大仕掛けになります。
写真は、その大屋根の瓦の手直しをしている塗方です。お客様からは見えにくいところなのですが、丁寧にそして手早く筆を走らせていました。
照明テストの時間帯に、ちょっとドラマティックに光が当たっていたので、その瞬間をパチリ。

大きな背景画(『怪談 牡丹燈籠』の高座)を、せーので起こしています!
2015年6月公演、準備風景(その2)
6月歌舞伎座公演の「道具調べ」の様子をご紹介します。「道具調べ」とは、本番通りに道具を飾ってきちんとできているかを確認したり、手直しをしたりするもので、初日の数日前などに行います。

『夕顔棚(ゆうがおだな)』の大道具です。白い花の部分は、絵ではなく、造花(立体)です。

『天保遊俠録(てんぽうゆうきょうろく)』の桜です。劇場にいると桜をはじめ、いろいろな草花(もちろん造花が多いですが)をみることができます。

『天保遊俠録(てんぽうゆうきょうろく)』の道具調べの様子です。下手側には、BGMを担当する黒御簾(くろみす)の部屋がありますが、中の演奏者が舞台や花道を見るための窓があります。黒御簾を囲う絵に、その窓のための穴をあけているところです!
WEBサイト、リニューアルしました。
2013年春にオープンいたしました弊社のウエブサイトですが、このたび一部リニューアルし、最新情報をカテゴリー分けして表示できるようにしました。
「ニュース」「大道具の道具」「特集」「現場レポート」
気になるカテゴリーをまとめてご覧いただけます。
これからもささやかな発信を続けてまいりたいと思います。今後とも、どうぞよろしくお願いいたします。
2015年6月公演、準備風景(その1)
6月歌舞伎座公演の「道具調べ」の様子をご紹介します。「道具調べ」とは、本番通りに道具を飾ってきちんとできているかを確認したり、手直しをしたりするもので、初日の数日前などに行います。

『天保遊俠録(てんぽうゆうきょうろく)』の屋体を動かしているところです。

『新薄雪物語』の「詮議」。よーく見ると、黒い柱のきわに赤い線がひいてあります。これは「玉縁(たまぶち)」といいます。少し赤が入ることで雰囲気が変わりますよね。塗方さんのお仕事です。

『新薄雪物語』「詮議」。銀地に桜の絵。遠くからではあまり見えないような細かなところですが、根気よく手直しをしています!
スイス大使館での歌舞伎公演
坂東彌十郎丈がスイス大使館(東京・港区)にて歌舞伎の公演をされました。この公演は、スイスを何度も訪問されている彌十郎丈と大使の交流から企画されたもので、弊社ではその特設舞台の作製などでお手伝いをさせていただきました。舞台は大使館内の日本庭園に設置。皇室の方を含む招待客約90名が「お祭り」などの演目を楽しまれました。

スイス大使館の庭に特設された舞台で歌舞伎を披露する坂東彌十郎丈。

舞台設置の様子。
2015年5月公演、準備風景(その2)
5月歌舞伎座公演の「道具調べ」の様子をご紹介します。「道具調べ」とは、本番通りに道具を飾ってきちんとできているかを確認したり、手直しをしたりするもので、初日の数日前などに行います。

歌舞伎十八番の内『蛇柳』の破風。よーく見ると、成田山のお札が貼ってありますよ。下手には3枚(写真)、上手に2枚あります。
2015年5月公演、準備風景(その1)
5月歌舞伎座公演の「道具調べ」の様子をご紹介します。「道具調べ」とは、本番通りに道具を飾ってきちんとできているかを確認したり、手直しをしたりするもので、初日の数日前などに行います。

『め組の喧嘩』。台にしているのは「箱馬(はこうま)」。これはまさに縁の下の力持ちで、非常に優れた道具のひとつです。

『め組の喧嘩』の「芝居前」。

歌舞伎にはいろいろな植物が登場します。『合邦』では、池に蓮があります。造花の担当者が、思案しながら配置しております。
5月4日から歌舞伎座ギャラリー(歌舞伎座タワー5階)にて、「体験空間 歌舞伎にタッチ -しる・みる・ふれる・やってみる-」展がはじまりました。私たち大道具も、背景画などの展示物の製作などでお手伝いをさせていただいております。今回の展示では、『菅原伝授手習鑑』「寺子屋」の舞台も小さいサイズで作っており、ご来場者のみなさまも舞台にあがっていただくこともできます。
※以下の写真は仕込み風景です。まだ展示が完成していない部分もあり、本番の展示と異なるところがあります。あらかじめご了承ください。

『寺子屋』の舞台。舞台の上にあがれるほか、下手側の「黒御簾」と呼ばれる小部屋に入って、太鼓をたたくこともできます。

展示のために大道具の絵描きが背景画を描きました(印刷ではありませんよ!)。舟や籠にも乗ってみることができます。

仮設の花道を歩いてみることもできます。
■■■ 「体験空間 歌舞伎にタッチ -しる・みる・ふれる・やってみる-」展覧会 概要 ■■■
【日程】
2015年5月4日(月・祝)より
※ 8月31日(月)から展示品一部入替のため休館日あり
【開館時間】
10:00~17:30(最終入館は17:00まで)
【入場料(税込)】
一般:600円/小・中学生:500円(小学生未満無料)
団体:500円(20名様以上・一律)
歌舞伎座ギャラリーについての詳しい情報やお問い合わせ先については以下をご覧下さい。
松竹株式会社 歌舞伎座ギャラリー
http://www.shochiku.co.jp/play/kabukiza/gallery/
黄綬褒章受章のご報告
平成27年春の褒章において、弊社の元社員である芝田繁さんが黄綬褒章を受章されました。
芝田繁さんは、昭和36年に弊社に入社。舞台転換や経師の仕事に従事し、平成26年の秋に退職されました。今回の受賞は卓越した技能者として、その道一筋に業務精励し、他の人々の模範となって後進の育成に意欲的に取り組んだ功績が認められたものです。
*春秋褒章(内閣府HPより)
自己の危難を顧みず人命の救助に尽力した方を対象とする紅綬褒章、社会奉仕活動に従事し顕著な実績のある個人等を対象とする緑綬褒章、 その道一筋に業務に精励し衆民の模範である方を対象とする黄綬褒章、学術、芸術、技術開発等の功労者を対象とする紫綬褒章、教育、医療、社会福祉、産業振興等の分野で公衆の利益を興した者又は保護司、民生・児童委員、調停委員等の事務に尽力した方を対象とする藍綬褒章があります。
以下の写真は、昨年秋に芝田繁さんが退職される際に社内で開いた送別会の様子です。

送別会の最後に、みんなからのリクエストに応えてご自慢の歌を披露する芝田繁さん。