弊社の絵描き(第一美術課)の山中隆成が第74回春の院展に「大屋根」を出品し、入選いたしました。院展(正式名称は「日本美術院展覧会」)は、公益財団法人 日本美術院が主催運営している日本画の公募展覧会のことで、春と秋に開催されます。春は「春の院展」、秋は「再興院展」と呼ばれています。
院展・日本美術院のホームページ
http://nihonbijutsuin.or.jp/index.html
山中隆成(やまなか たかなり)
第一美術課 課長
昭和43(1968)年、神奈川県生まれ。多摩美術大学日本画専攻卒業。平成11(1999)年より歌舞伎座舞台で絵描きとして働き始め、翌年に正式入社。日本美術院特待(*)で歌舞伎座舞台の絵描きである後藤芳世の勧めにより、院展に出品をはじめる。2016年より院友(*)。大学時代の先生でもあり日本美術院同人(現・理事長)であった故・松尾敏男(まつお としお)画伯に師事。歌舞伎座が新開場した平成25(2013)年4月公演の最初の演目『壽祝歌舞伎華彩』、その一年後の平成26(2014)年4月の歌舞伎座公演の『壽春鳳凰祭』では、松尾敏男画伯が舞台美術を担当。師の描いた道具帳の意図を汲みとり、「囲い」(*)の図案を考えて描くなど、舞台の背景画を描く指揮をとる。平成18(2006)年の再興第91回院展をはじめ、過去に春の院展に3回、再興院展に3回、入選を果たしている。
*特待:再興日本美術院展覧会(院展)に20回入選、あるいは、奨励賞4回受賞、または日本美術院賞1回受賞で推挙される。
*院友:研究会員であることを前提に再興日本美術院展覧会(院展)に3回入選で推挙される。
*囲い:大臣囲いの略。舞台の上手と下手の黒御簾の前に飾る絵のこと。
第一美術課の仕事についてのインタビュー(山中隆成)
http://kabukizabutai.co.jp/daiichi_bijyutsu/
第74回春の院展 東京展
山中隆成の絵も展示されます(他地域での巡回展での展示は未定)。
日程:2019年3月27日(水)~4月8日(月)
場所:日本橋三越本店 本館7階
2019年3月公演、準備風景(その1)
3月歌舞伎座公演の「道具調べ」の様子をご紹介します。「道具調べ」とは、本番通りに道具を飾ってきちんとできているかを確認したり、手直しをしたりするもので、初日の数日前に行います。

今月の『傾城反魂香(けいせいはんごんこう)』は、ちょっと珍しい二場がついての上演。大道具的にも楽しい演出がありますよ。写真はおなじみの「土佐将監閑居の場」のほう。みんなで、虎ごっこしてるのかな。

『盛綱陣屋(もりつなじんや)』の幕です。
2019年2月公演、準備風景(その2)
2月歌舞伎座公演の「道具調べ」の様子をご紹介します。「道具調べ」とは、本番通りに道具を飾ってきちんとできているかを確認したり、手直しをしたりするもので、初日の数日前に行います。

『すし屋』の舞台に、畳(ゴザ状のもの)を敷いているところ。この畳、お芝居のなかで取り去るのですが、大道具の力業でやっています。

畳を取り去るところの写真。板のままならともなく、下に布を敷いているので、摩擦が大きいです。結構、力が必要です。
2019年2月公演、準備風景(その1)
2月歌舞伎座公演の「道具調べ」の様子をご紹介します。「道具調べ」とは、本番通りに道具を飾ってきちんとできているかを確認したり、手直しをしたりするもので、初日の数日前に行います。

『當年祝春駒(あたるとしいわうはるこま)』。絵描きたちが、舞台で手直しをしています。

『熊谷陣屋(くまがいじんや)』の幕です。この幕も、大道具が担当しております。
2019年1月公演、準備風景(その1)
1月歌舞伎座公演の「道具調べ」の様子をご紹介します。「道具調べ」とは、本番通りに道具を飾ってきちんとできているかを確認したり、手直しをしたりするもので、初日の数日前に行います。

『吉例寿曽我(きちれいことぶきそが)鴫立澤対面の場』(通称「雪の対面」)の道具幕を準備しているところ。雪景色の富士という、すがすがしい図案です。

『絵本太功記(えほんたいこうき)』 の木戸(きど)を運ぶ練習をしているところです。お芝居のなかで、ささっとこれを片付けていますが、これは大道具がやっております。
東京 西武池袋本店で「歌舞伎の世界展 The 2nd ~KABUKIとふれ合おう~」が開催されています(1月6日まで)。
歌舞伎の衣裳や小道具、かつらなどを間近で見ることができる展覧会で、弊社も背景画などを描かせていただいております。
1/5には絵描きによるライブペインティングも行われますよ。
お近くにお出かけの際は、ぜひご覧ください。
★歌舞伎プロフェッショナル講座-大道具編-〈歌舞伎座舞台(株)〉1月5日(土)午前11時から(約30分)
https://www.sogo-seibu.jp/ikebukuro/topics/page/1302050.html
あけましておめでとうございます
あけましておめでとうございます。
本日(1月2日)より、歌舞伎座の「壽初春大歌舞伎」もはじまり、私たちも初仕事をむかえております。
いつもは、あちこちにちらばって仕事をしていますが、今朝はみんなが歌舞伎座に集合して年始の式をしました。
大向う風の楽しいかけ声も飛び交う、賑やかな式となりました。最後はツケ打ちの大ベテラン芝田正利の音頭で、一本締めをしましたよ。
今年もHPやFacebookページにて、ささやかな発信をしてまいりたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
2018年12月にオープンした「神田明神文化交流館 EDOCCO」(東京・神田)の開業記念式典のための奉納舞踊公演の大道具を担当させていただきました。この施設は、江戸の総鎮守である神田明神の敷地内にあり、伝統文化の活性化や発展を目的につくられたそうです。伝統芸能・工芸による価値の交流にも力を入れておられるとのことで、このたびの開業記念式典では、尾上菊五郎丈、尾上菊之助丈による舞踊「神田祭」が披露されました。
神田明神文化交流館 EDOCCO
https://edocco.kandamyoujin.or.jp
2018年12月公演、準備風景(その2)
12月歌舞伎座公演の「道具調べ」の様子をご紹介します。「道具調べ」とは、本番通りに道具を飾ってきちんとできているかを確認したり、手直しをしたりするもので、初日の数日前に行います。

『壇浦兜軍記(だんのうらかぶとぐんき)阿古屋(あこや)』の階段。三段あります。

『幸助餅(こうすけもち)』の序幕。製作チームが屋体内部をチェック中。みんなそれぞれのガチ袋をつけています。
2018年12月公演、準備風景(その1)
12月歌舞伎座公演の「道具調べ」の様子をご紹介します。「道具調べ」とは、本番通りに道具を飾ってきちんとできているかを確認したり、手直しをしたりするもので、初日の数日前に行います。

『二人藤娘』の舞台。藤の花をひとつずつ手で取り付けていきます。

『お染の七役』の最初の場面。鮮やかな早替りが眼目で、大道具もどんどん転換していきます。