360年、毎日が創意工夫 歌舞伎座舞台株式会社360年、毎日が創意工夫 歌舞伎座舞台株式会社

 

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歌舞伎座新開場から一周年を迎えたことを記念して、2014年4月28日に歌舞伎座において「GINZA KABUKIZA一周年記念式典」が執り行われました。
式典の様子については、歌舞伎公式総合サイト「歌舞伎美人」をご覧ください。

歌舞伎美人ニュース
「GINZA KABUKIZA一周年記念式典」を開催
http://www.kabuki-bito.jp/news/2014/04/ginza_kabukiza_3.html

式典では、式典名を書いた看板が舞台に飾られました。これは「一文字看板」と呼ばれるもので、文字数に応じてさまざまな幅があります(上記のニュースの写真に「一文字看板」が舞台に飾られている写真が掲載されています)。

一文字看板

歌舞伎座の舞台で一文字看板の文字を書いているところ。アルファベットもほぼフリーハンド。

一文字看板

文字を書いているのは「岡本文字書き店」の岡本さん。大きな筆で、一気呵成に仕上げていきます。

歌舞伎の大道具のなかの文字では、雪洞(ぼんぼり)や襖、障子などの文字、『助六由縁江戸桜』が上演される際に河東節(かとうぶし)でご出演される方々のお名前の札などを岡本さんに書いていただいています。

筆文字

吉原の風景「仲ノ町(なかのちょう)」に出てくる雪洞(ぼんぼり)の文字を書いているところ。

「岡本文字書き店」のホームページ
http://moji-kaki.com/index.php?FrontPage

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2014.04.29

大道具では畳の部屋をあらわすときに「上敷(畳敷)」という長いゴザを用います。読み方は「じょうしき」です。畳の縁(へり)の使い方には、きまりがあり、以下のように使い分けています。
田舎家や生世話の屋体(長屋など)は、縁なし。
商家は、黒縁。
武家は、高麗縁(こうらいべり)。

2014年4月の演目では、『髪結新三』の新三の家は「縁なし」、白子屋と家主の家は「黒縁」。『一條大蔵譚』奥殿は、「高麗縁」です。

上敷

左:『髪結新三』富吉町新三内の場 右:同、白子屋見世先の場

高麗縁

『一條大蔵譚』奥殿

高麗縁

高麗縁

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2014.04.20

4月26日より「馬の博物館」(神奈川県)で特別展「歌舞伎と馬」が開催されます。歌舞伎の舞台に登場する「馬」について、絵画や工芸品、小道具、映像資料などを通して詳しく知ることができる展覧会で、弊社が所蔵する馬にまつわる演目の道具帳も展示されます。弊社では、展示デザインなどでもお手伝いをさせていただきました。
*馬の博物館:公益財団法人馬事文化財団が運営している博物館。1860年代に横浜で始まった洋式競馬発祥を記念した根岸競馬記念公苑内に、日本中央競馬会により開設。

【展示構成】
第一章 歌舞伎舞台(劇場)の始まり
第二章 歌舞伎と馬
第三章 歌舞伎を演じる馬
特集展示 競馬を愛した名優 七代目中村芝翫丈を偲ぶ

*入場料など詳しくは、馬の博物館の公式WEBサイトをご覧ください。
http://www.bajibunka.jrao.ne.jp/uma/

*歌舞伎関連グッズを販売する松竹歌舞伎屋本舗も特別出店します。
松竹歌舞伎屋本舗 http://kabukiyahonpo.com/index.html

馬の博物館

【展示概要】
会期:平成26年4月26日(土)~6月8日(日)
会場:馬の博物館(横浜市中区根岸台1-3)
開館時間:午前10時~午後4時30分(入館は午後4時まで)
休館日:月曜休館(祝日は開館)

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2014.04.19

4月歌舞伎座公演の「道具調べ」の様子をご紹介します。「道具調べ」では、本番通りに道具を飾ってきちんとできているかを確認したり、手直しをしたりするもので、公演前月の末ごろに行います(今回ご紹介する写真は、2014年3月末ごろに撮影したものです)。

『髪結新三』

『髪結新三』白子屋見世先の場の入り口を組み上げているところ。

 

『壽春鳳凰祭』

『壽春鳳凰祭』。美術を担当された松尾敏男画伯の道具帳を見ながら、背景画の最後の仕上げをしています。

 

髪結新三

『髪結新三』には2つの橋が出てきます。写真は、最初に出てくるほうの橋(永代橋)で、板の目を描いているところです(塗方の仕事)。 これを描くにも計算やコツが必要。先輩から後輩たちへ指示が飛びます。

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2014.04.15
大道具の道具

その9 囲い

「囲い(かこい)」とは「大臣囲い」の略で、舞台の上手と下手の黒御簾(くろみす)の前に飾る絵のことをいいます。

囲い

2014年4月公演の舞踊『壽春鳳凰祭』の「囲い」。演目名にちなんで、歌舞伎座の座紋「鳳凰丸(ほうおうまる)」が描き込まれています。

 

囲い

2014年4月公演の『女伊達』の「囲い」。

 

囲い

「囲い」の側面の始末をしているところ。

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2014.04.12

弊社の絵描き(第一美術課)の山中隆成が第69回春の院展に「残雪」を出品し、入選いたしました。院展(正式名称は「日本美術院展覧会」)は、公益財団法人 日本美術院が主催運営している日本画の公募展覧会のことで、春と秋に開催されます。春は「春の院展」、秋は「再興院展」と呼ばれています。

院展・日本美術院のホームページ
http://nihonbijutsuin.or.jp/index.html

yamanaka

山中隆成(やまなか たかなり)
第一美術課 課長
昭和43(1968)年、神奈川県生まれ。多摩美術大学日本画専攻卒業。平成11(1999)年より歌舞伎座舞台で絵描きとして働き始め、翌年に正式入社。日本美術院特待(*)で歌舞伎座舞台の絵描きである後藤芳世の勧めにより、院展に出品をはじめる。大学時代の先生でもあり日本美術院同人(現・理事長)の松尾敏男(まつお としお)画伯に師事。歌舞伎座が新開場した平成25(2013)年4月公演の最初の演目『壽祝歌舞伎華彩』、その一年後の平成26(2014)年4月の歌舞伎座公演の『壽春鳳凰祭』では、松尾敏男画伯が舞台美術を担当。師の描いた道具帳の意図を汲みとり、「囲い」(*)の図案を考えて描くなど、舞台の背景画を描く指揮をとる。平成18(2006)年の再興第91回院展をはじめ、過去に春の院展に2回、再興院展に2回、入選を果たしている。
*特待:再興日本美術院展覧会(院展)に20回入選、あるいは、奨励賞4回受賞、または日本美術院賞1回受賞で推挙される。
*囲い:大臣囲いの略。舞台の上手と下手の黒御簾の前に飾る絵のこと。

入選作品「残雪」について
今年の2月に大雪が降ったときの光景を描いたものです。絵を描く際は、まずスケッチをするのですが、日中は仕事をしているので、どうしても夜に描くことが多くなります。そのようなこともあり、描く作品は夜を題材にしたものが多くなります(笑)。松尾先生と歌舞伎の舞台のお仕事をご一緒させていただけることについては、大変光栄に感じています。これからも歌舞伎の大道具の仕事と、日本画を描くことを両立していきたいと思っています。

鳳凰祭四月大歌舞伎
平成26年4月2日(水)~26日(土)
http://www.kabuki-bito.jp/theaters/kabukiza/2014/04/post_74.html

第69回春の院展 東京展
山中隆成の絵も展示されます(他地域での巡回展での展示は未定)。

日程:2014年3月26日(水)~4月7日(月)
場所:日本橋三越本店  本館・新館7階ギャラリー
*山中の絵は、第1会場Fゾーンに展示されています。
展覧会のポスター(PDF)
http://nihonbijutsuin.or.jp/poster/69Tokyo/tokyo_poster.pdf

*フェイスブックのコメント欄などから、たくさんのお祝いの言葉をいただきました。ありがとうございました。山中からお礼の言葉です。

山中さん

「たくさんの方からお祝いの言葉をいただきまして、とてもうれしく感じるとともに、ちょっとびっくりしています。ありがとうございました。これからも精進してまいります。」

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2014.03.26

千穐楽の終演後には、舞台上で道具を解体しはじめます。この作業を「ばらし」と呼んでいます。無事に1ヶ月の公演を終えたことに感謝しつつ、また翌月の準備に向けて気持ちを切り替えます。3月は千穐楽の翌日に「俳優祭」があるため、その準備も同時に進めました。

ばらし

舞台上では3月の道具をバラす作業と、翌日の俳優祭の準備が進行中。

 

ロビー設営

二階のロビーでは、模擬店などの設営を行っています。

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2014.03.26

3月歌舞伎座公演の「道具調べ」の様子をご紹介します。「道具調べ」では、本番通りに道具を飾ってきちんとできているかを確認したり、手直しをしたりするもので、公演前月の末ごろに行います(今回ご紹介する写真は、2014年2月末ごろに撮影したものです)。

藤娘

所作台(しょさだい)をみんなで拭いているところです。『藤娘』などの舞踊や、舞踊的要素のある演目(『四の切』『七段目』など)のときは、足のすべりをよくするために所作台を敷きます。足のひっかかりがないか、などを細かく確認をしながら、慎重に仕事をしていきます。

藤娘

藤の造花をひとつずつ、丁寧に取り付けていきます。

霞幕

霞幕を準備しているところ(『日本振袖始』)。

加賀鳶

歌舞伎では、舞台の上にゴザのようなものを敷いて畳の部屋を表すことがよくあります。 写真は、ゴザの端のラインをそろえるための作業をしているところです(『加賀鳶』)。ぴしっとそろうように、調整しています!

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2014.03.22

千穐楽の終演後には、舞台上で道具を解体しはじめます。この作業を「ばらし」と呼んでいます。無事に1ヶ月の公演を終えたことに感謝しつつ、また翌月の準備に向けて気持ちを切り替えます。

ばらし1

ばらし2
ばらし3

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2014.03.13

3月歌舞伎座公演の「道具調べ」の様子をご紹介します。「道具調べ」では、本番通りに道具を飾ってきちんとできているかを確認したり、手直しをしたりするもので、公演前月の末ごろに行います(今回ご紹介する写真は、2014年2月末ごろに撮影したものです)。

鳳凰祭三月大歌舞伎
平成26年3月2日(日)~26日(水)
http://www.kabuki-bito.jp/theaters/kabukiza/2014/03/post_73.html

『二人藤娘』の藤の花。花の開き加減など、細部に気を配りながら作業しました。

屋根

『封印切』井筒屋離れ座敷の屋根をみんなで運んでいるところ。

加賀鳶

『加賀鳶』本郷木戸前勢揃いの場面。背景画を舞台に飾り、絵描きが最後の仕上げをしているところ。

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2014.03.06
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