360年、毎日が創意工夫 歌舞伎座舞台株式会社360年、毎日が創意工夫 歌舞伎座舞台株式会社

 

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11月、12月の『仮名手本忠臣蔵』の上演に合わせて、土産物店が並ぶ「木挽町広場」(歌舞伎座・地下2階)も忠臣蔵の世界を表現し、公演を盛り上げることになりました。弊社では、忠臣蔵をイメージしたバナーやなまこ塀など製作させていただきました。

木挽町広場

設営の様子。なまこ塀の製作は、製作課が大工仕事で形をつくり、第二美術課(塗方)が色を塗りました。間近でご覧になってみると、面白いかもしれませんね。

 

忠臣蔵まつり

2人とも第二美術課(塗方)です!

木挽町広場

天井近くの赤と白のバナーも、弊社が担当しております。

木挽町広場

こちらのなまこ塀には、来年のカレンダーがずらり。歌舞伎座で観劇なさる方も、そうでない方も木挽町広場で忠臣蔵の世界を楽しんでいただけましたら幸いです。

 

忠臣蔵まつり

たくさんのお店が出店しております。お近くにお越しの際は、ぜひのぞいてみてくださいね。

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2013.11.01

歌舞伎座では11月、12月に二ヶ月連続で『仮名手本忠臣蔵』が上演されます。知っておくと観劇がちょっと楽しくなる豆知識をご紹介します。

今回は「出投げ(でなげ)」について詳しくご紹介します。
『仮名手本忠臣蔵 三段目』では前半が「進物場」、後半は「喧嘩場」とも称される「松の間刃傷の場」となり2つの場面があります。前半から後半に舞台が転換する際に「出投げ」があります(前触れなく、はじまりますのでお見逃しなく! 上手側から投げます)。
「出投げ」は舞台に上敷(じょうしき)と呼ばれる長いゴザのようなものを敷きますが、観客の目の前で丸めてある上敷を投げるようにして一気に舞台の端から端まで敷き詰めます。

以下は、「道具調べ」の際に撮影した「出投げ」の練習風景です。

出投げ

「道具調べ」での出投げ。先輩陣が心配そうに見守っています。出投げをする人は「たっつけ」という黒い衣裳を着ています。

 

出投げ

出投げの後には、先輩からさまざまなアドバイスが!

 

出投げ

下手側で控えている補佐役にも技量が必要。こちらにも細かなアドバイスが出されています。

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2013.10.29
大道具の道具

その5 舞踊会の造花

2013年10月26日、27日は、歌舞伎座にて「花柳流流祖生誕二百年祭 三代家元七回忌追善舞踊会」が催されます。今年の4月に歌舞伎座が新開場してから、単独の流派としては初めての舞踊会です。舞踊会の舞台には折々に花が登場しますが、これらの造花は大道具が準備しています。舞台裏で、出番を待つ造花を少しご紹介します。

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舞踊会の造花
舞踊会の造花

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2013.10.26

歌舞伎座では11月、12月に二ヶ月連続で『仮名手本忠臣蔵』が上演されます。知っておくと観劇がちょっと楽しくなる豆知識をご紹介します。

大道具の転換は芝居の邪魔にならないように控えめに行っていますが、『仮名手本忠臣蔵 三段目』ではこの転換がちょっとした見せ場になるシーンがあります。それが「出投げ(でなげ)」です。転換の作業のひとつとして、舞台に上敷(じょうしき)と呼ばれる長いゴザのようなものを敷きますが、観客の目の前で丸めてある上敷を投げるようにして一気に舞台の端から端まで敷き詰めます。

出投げ

手前の上敷が「出投げ」に使われるもの。きつく巻いてあるので細く見えるが、抱えてみるとかなりの重量。

出投げに使う上敷は、72尺(約22m)もあります。これを狙い通りにまっすぐ、端まで正確に転がすにはかなりの技術が必要。ちょっとでも方向が狂うと、客席の方向へ流れることもあるため、出投げを担当する者は前の月から終演後に稽古を重ねます。上敷はきっちり固く巻いておかないと舞台でうまく転がってくれません。上敷を巻く技術も重要(両手を巧みに使い、すごいスピードで巻いていきます)。

出投げ

「出投げ」に使う上敷を真上から見たところ。直径約30cm。上敷の幅は88cm。

出投げを担当する者は、たった一人で舞台に出ます。経験者によると、一発勝負のため精神的にもかなり緊張するとのこと(この時、大向うから「大道具!」と声がかかることも)。
11月、12月は5人の担当者が交代で出投げをつとめます。

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2013.10.24

第19回ニッセイ・バックステージ賞の受賞者が発表され、弊社のツケ打ちの芝田正利が同賞を受賞することが決定しました。ニッセイ・バックステージ賞は舞台技術を裏から支え、優れた業績を挙げている舞台技術者に光を当て、その苦労に報いるために公益財団法人ニッセイ文化振興財団が創設した賞です(2005年には弊社の後藤芳世が同賞を受賞しています)。

※ニッセイ・バックステージ賞の詳細はこちらをご覧ください。

芝田

芝田正利(しばた まさとし)
ツケ打ち、大道具方
昭和19(1944)年、東京都江東区生まれ。長谷川大道具株式会社(現・歌舞伎座舞台株式会社)に勤める兄の勧めで昭和40年に同社の臨時雇用となり、翌年に正式入社。大道具の飾り込みや転換作業、経師、幕引きを担当。その後、菊五郎劇団付きのツケ打ちだった中村藤吉に師事。昭和45年11月『通し狂言 伽羅先代萩』で歌舞伎座のツケ打ちとして初舞台。歌舞伎座、舞踊会、海外公演などでツケ打ちを担当。飾り込みや舞台転換の際は、円滑に作業を進めるための指揮も執る。
平成9年第十三回日本舞台芸術家組合賞受賞。平成19年日本俳優協会再建立50周年記念永年功労者表彰。日本演劇興行協会における「平成21年度助成事業」表彰。平成24年度文化庁長官表彰。平成25年第19回ニッセイ・バックステージ賞受賞。

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2013.10.18

歌舞伎座では11月、12月に二ヶ月連続で『仮名手本忠臣蔵』が上演されます。知っておくと観劇がちょっと楽しくなる豆知識を、道具帳をご覧いただきながらご紹介したいと思います。

【四段目 表門城明渡しの場】
四段目 城明渡し

由良之助が仇討ちの決意を固め、城館を明け渡して去っていく場面の大道具です。遠ざかっていく風景を「引き道具」というちょっと変わった手法で表現します。最初は上の道具帳のように道具が飾ってありますが、ゆっくりと道具を舞台後方に引いていきます(下の道具帳)。少し角度がつけてあるのは、花道の七三にいる由良之助に対して門が直角に向くようにするためです。芝居の雰囲気に溶け込むように、動かす速さやタイミングにも心を配ります。
同じ場面でも、関西型の演出では表現方法が異なります。同じように背景が遠ざかっていく様子を表すのですが、実際に道具を後ろに動かすのではなく、背景画の図案を近景から遠景に変えることで門から遠ざかったことを表します。

【七段目 祇園一力茶屋の場】
七段目 茶屋場
京都祇園町を舞台にした華やかな場面。歌舞伎では家などの立体物を屋体(やたい)と呼び、屋体の形や舞台から建物の床までの高さ(大道具ではこれを「足」とよびなわらす)は各演目・場面ごとに決まっています(中央の屋体は、「高足(たかあし)」という高さ)。屋体にかけられている階段は三段の白州梯子(しらすばしご)。上手(かみて)の屋体は、お軽の部屋で二階という設定です。この場面では様式的な動きがあるため舞台の上に「所作台(しょさだい)」という檜の板を敷き詰めます。
下の道具帳は同じ場面ですが、のれんが開いたところで、その奥に見える風景は俳優さんの意向に合わせた図案を描きます(よく見ないと気付かないくらいの微妙な違いですが)。
ちなみに、この場面でも関西型では道具が異なります。中央の屋体の「足」は関東型よりも七寸(約21cm)低く、それに従って階段の段数が一段少なくなります(白州梯子ではなく石の階段)。また、屋体の色味や塀の柄なども異なります。

11月、12月の歌舞伎座の公演では全て関東型で上演されます。一般的に、関西型の演出は写実的、関東型は様式的といわれ、小道具や衣裳、かつら、そして大道具もそれに準じているとされています。

歌舞伎座
吉例顔見世大歌舞伎
平成25年11月1日(金)~25日(月)
http://www.kabuki-bito.jp/theaters/kabukiza/2013/11/post_68.html

十二月大歌舞伎
平成25年12月1日(日)~25日(水)
http://www.kabuki-bito.jp/theaters/kabukiza/2013/12/post_69.html

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2013.10.17

本日(10/1)より芸術祭十月大歌舞伎がはじまりました。
今月の歌舞伎座は『通し狂言 義経千本桜』です。昨日、一昨日の公演準備の様子をレポートします。

幕

舞台の幕を扱うのも大道具の仕事です。この写真は「浅葱幕(あさぎまく)」を巻いているところです。幕を吊っているバトンを降ろしながら、くるくると手早く巻きます。

浅葱幕

幕について、道具帳の担当者(舞台下)と絵描き(舞台上)で打合せをしています。

製作課

「大物浦(だいもつのうら)」の大きな岩の形を手直ししているところです。クライマックスでは知盛が大岩の上に立ちますので、各階のいろいろな席からチェックして俳優さんが見えにくくならないように配慮しています。

屋体や岩の土台を作るのは、製作課です。
製作課・先輩後輩インタビューもぜひご覧ください!
http://kabukizabutai.co.jp/seisaku/

芸術祭十月大歌舞伎
10月1日(火)~25日(金)
http://www.kabuki-bito.jp/theaters/kabukiza/2013/10/post_67.html

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2013.10.01

9月12日(木)から歌舞伎座ギャラリー(歌舞伎座タワー5階)にて、「歌舞伎 秋の彩り」展がはじまります。私たち大道具も、『紅葉狩』の背景画を新しく描くなどでお手伝いをさせていただいております。背景画を描く様子は映像記録していただきました。ギャラリー内の映像コーナーで紹介される予定ですので、興味のある方はご覧いただけましたら幸いです(映像コーナーはギャラリー内に2カ所あり、背景画の製作についての映像は2つ目の展示室内にございます)。

今回の展示では『紅葉狩」の更科姫をはじめ、さまざまな役の衣裳や小道具、かつらなども展示されます。ぜひおでかけくださいませ。

■■■『紅葉狩』の背景画ができるまで■■■

背景画

歌舞伎座の大道具では、泥絵具(どろえのぐ)という特殊な絵の具を使います。基本の色を混ぜ合わせるなどして、必要な色を準備していきます。色作りはとても難しく、経験を重ねなくてはうまくできません。

背景画

チョークで下絵を描いていきます。

背景画

あうんの呼吸で、作業をしていきます。ちなみに歌舞伎座の舞台の背景画は、今回、製作している歌舞伎座ギャラリー用の5倍の大きさとなります。

背景画

紅葉の葉を描くなど細部を仕上げて、出来上がりです。

●「歌舞伎 秋の彩り」展覧会概要

【日程】
2013年9月12日(木)~12月1日(日)
※会期中無休
※9月19日(木)12:00開館

【開館時間】
10:00~18:00
※最終入館は17:30まで

【入場料(税込)】
一般:500円(小学生未満無料)
団体:400円(20名様以上)

歌舞伎座ギャラリーについての詳しい情報やお問い合わせ先については以下をご覧下さい。
松竹株式会社 歌舞伎座ギャラリー
http://www.shochiku.co.jp/notice/play/2013/08/008740.html

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2013.09.01

歌舞伎の造花について深く知るための連載記事の3回目です。その1その2もぜひご覧ください。
(取材・文 田村民子)

花善

花善が手掛けた造花。左から山吹、紅梅、白梅。

花善では多種多様の造花を作っていますが、どんな体制で仕事をされているのでしょうか。前回に引き続き株式会社酒井造花製作所(花善)の社長・酒井克昌さんにお話をうかがいます。まずは克昌さんの役割ですが、大道具とのやりとりから全体の差配、染めや型抜きなどを担当しています。そして、出来上がった花びらや葉を針金やテープなどでひとつの植物の形に仕上げる作業は、克昌さんの奥様の智代さんをはじめ女性陣が引き受けています。

花善

(左・中)4人の女性で手際よくアヤメの花を仕上げる。(右)『浮舟』の舞台のアヤメ。

取材でうかがった日は、アヤメの仕上げ作業をされていました。アヤメの造花は『伊達の十役』や『浮舟』、舞踊などで使われます。アヤメの花びらをよく見ると、平坦ではなくうねったような微細な立体感があります。こうしたデリケートな質感も、手作業。智代さんの説明によると、花びらを染めた後、まだ湿っている状態のときに手拭いにはさみ、手でぐいっとしごくようにしてうねりをつけるとか。使う道具は手拭いだけ。手先に染みこんだ技量で、花に命が吹き込まれていきます。

『藤娘』の道具帳。

『藤娘』の道具帳。

歌舞伎の数ある演目のなかで、花の印象が強いものといえば、舞踊『藤娘』が思い浮かびます。照明を落として真っ暗闇のなかで静かに幕が開き、一瞬で明るくなると、舞台いっぱいに大きな藤の花が咲き誇っているという胸のすくような演出。客席からも、思わずうわーという声がこぼれます。この演出は、昭和12年に六代目尾上菊五郎が『藤娘』を踊るにあたり一新させたもので、藤を極端に大きくスケールアウトさせることで踊り手の身体を可憐に小さく見せるというねらいがあったとされています。

花善

(左)紙で作られた藤の造花。藤の花らしい、色と質感と形。花弁の広げ方によっても、表情が異なる。(右)『藤娘』の舞台写真。

この藤の花の作り方について克昌さんに再びお話をうかがいます。藤の花弁は白地を残して紫に染め分け、やわらかな質感を表現しています。花の房は一番長いものでは15尺(約4.5m)もあるそうで、上から下にいくに従ってだんだん花弁が小さくなっていきます。この花弁を作るために大きさの異なる抜き型が7個も必要とのことでした。花弁は紙で作られていましたが、近年の歌舞伎では布が主流となっているそうです。

こうして歌舞伎の造花に関わる現場を辿ってみると、想像以上に手間をかけて歌舞伎にふさわしいものを作り上げていることに驚かされます。造花を作る酒井克昌さんも、歌舞伎の舞台でそれを形にする大道具の西村健次さんも、いかにもたくましい男性なのですが、繊細な精神で仕事に向かっておられる姿に心惹かれるものがありました。

花善

後日、観劇したとき。舞台の隅になにげなく置かれた花木に、そこはかとなく余情が漂っているように感じました。きっと作り手の方々は「そこに注目されるのは本末転倒」とおっしゃるのだと思いますが、小さなところにも想いを込めた仕事があることを知った上で眺める舞台には、それまでとは異なる愛着が涌きます。つつましやかな歌舞伎の造花の職芸がこれからも深まり、継承発展していくことに期待します。(完)

*「連載 歌舞伎座の大道具を支える職人」は、今後もさまざまな職人さんに光を当ててまいります。お楽しみに!

*舞台写真や道具帳などの色味は、ブラウザによって見え方が異なる場合があります。予めご了承ください。

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2013.08.20
大道具の道具

その4 障子

歌舞伎には「障子(しょうじ)」がよく出てきます。下の写真は『野崎村』の屋体(やたい:家などの建物)です。ここで障子に注目してみてください。

障子

一般の家の障子の骨は室内側に向いています(ご家庭に障子のある方は確認してみてください)。ところが歌舞伎の屋体では、外側に障子の骨が見えています。事実と照らし合わせると間違っている、ということになりますが、このほうがひと目で見て障子があることがわかり、それらしいということで古典作品の場合はあえてそのようにしています。一方、『狐狸狐狸ばなし』などの新しい演目では、現実世界にならって障子の骨は室内側を向いています。

おまけ:写真の右奥では、造花の担当者が梅の木の仕上げをしています。「造花」についての連載記事もありますので、ぜひご覧ください。

造花の連載記事(全3回)
http://kabukizabutai.co.jp/saisin/tokusyuu/369/

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2013.08.14
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