360年、毎日が創意工夫 歌舞伎座舞台株式会社360年、毎日が創意工夫 歌舞伎座舞台株式会社

 

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「吉例顔見世大歌舞伎」が近づいてきた歌舞伎座で、櫓揚げ(やぐらあげ)が行われました。

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櫓は、江戸時代に幕府公認の証として、芝居小屋の正面に揚げられていたもの。歌舞伎座では毎年、11月の顔見世公演の前に櫓を揚げています。
櫓には、5本の槍と2本の梵天(ぼんてん)が組まれています。また櫓には布がかけられており、正面には歌舞伎座の座紋である「鳳凰丸(ほうおうまる)」、側面には「木挽町 きゃうげんづくし 歌舞伎座」の文字が染め抜かれています。弊社では、櫓の製作などで関わらせていただいております。お近くをお通りの際には、ぜひ歌舞伎座正面の櫓もご覧いただけましたら幸いです。


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2015.10.28

10月歌舞伎座公演の「道具調べ」の様子をご紹介します。「道具調べ」とは、本番通りに道具を飾ってきちんとできているかを確認したり、手直しをしたりするもので、初日の数日前などに行います。


『音羽嶽だんまり(おとわがたけだんまり)』の背景画を手直ししているところです。この写真に写っている白い幕は、本物ではなく描いた絵。これとは別に、少し手前には本物の幕が出ます。

『音羽嶽だんまり(おとわがたけだんまり)』の背景画を手直ししているところです。この写真に写っている白い幕は、本物ではなく描いた絵。これとは別に、少し手前には本物の幕が出ます。

『阿古屋』の長唄さんの登場をテストしているところです(台に乗っているのは大道具です)。黒御簾の空間から、このように台を押し出して登場させます。スムーズに動かせるように何度も試していました。

『阿古屋』の長唄さんの登場をテストしているところです(台に乗っているのは大道具です)。黒御簾の空間から、このように台を押し出して登場させます。スムーズに動かせるように何度も試していました。

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2015.10.21
大道具の道具

その20 くもで

大道具には、小さなサイズの道具もたくさんあります。今回は、庭に置いてある小さな台「くもで」をご紹介します。


『文七元結』の長兵衛さんの家の庭。赤い矢印の台が「くもで」です。ちなみに、上にのっている白い手水鉢は小道具です。

『文七元結』の長兵衛宅の庭。赤い矢印の台が「くもで」です。ちなみに、上にのっている白い手水鉢は小道具です。

『髪結新三』の新三宅の庭にある「くもで」。『文七元結』と比べると、障子の様子も異なりますね。同じような庶民でも、経済状況の差を、いろんなディテールで表現をしています。障子、塀、枕屏風(これは小道具)など、同じアイテムもちょっとずつ違っています。

『髪結新三』の新三宅の庭にある「くもで」。『文七元結』と比べると、障子の様子も異なりますね。同じような庶民でも、経済状況の差を、いろんなディテールで表現をしています。障子、塀、枕屏風(これは小道具)など、同じアイテムもちょっとずつ違っています。

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2015.10.10

10月歌舞伎座公演の「道具調べ」の様子をご紹介します。「道具調べ」とは、本番通りに道具を飾ってきちんとできているかを確認したり、手直しをしたりするもので、初日の数日前などに行います。


『音羽嶽だんまり(おとわがたけだんまり)』の最初の場面。手すり付きの小さな舞台を組み上げているところ。

『音羽嶽だんまり(おとわがたけだんまり)』の最初の場面。手すり付きの小さな舞台を組み上げているところ。

『一條大蔵譚』の「檜垣茶屋の場」。塀をちょっと手直ししているところです。大道具では、木でできた棒を定規としてよく使っています。

『一條大蔵譚』の「檜垣茶屋の場」。塀をちょっと手直ししているところです。大道具では、木でできた棒を定規としてよく使っています。

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2015.10.03

9月歌舞伎座公演の「道具調べ」の様子をご紹介します。「道具調べ」とは、本番通りに道具を飾ってきちんとできているかを確認したり、手直しをしたりするもので、初日の数日前などに行います。

『伽羅先代萩』「御殿」の場面。 以下の「竹の間」の絵と比べてみてください。雀が飛んでいます!そして、黒い柱の際の赤い線。これを「たまぶち」と呼びます。これが入ると、ほんのり華やぎますよね。あるとないでは、やはり雰囲気が異なります。 金色のトーンも、このたびは工夫が重ねられています。 土台をつくる「製作」、金を貼る「経師」、柱やたまぶちの色を塗る「塗方」、絵を描く「絵描き」とさまざまな職種の手を経て、舞台に登場しております。

『伽羅先代萩』「御殿」の場面。
以下の「竹の間」の絵と比べてみてください。雀が飛んでいます! そして、黒い柱の際の赤い線。これを「たまぶち」と呼びます。これが入ると、ほんのり華やぎますよね。あるとないでは、やはり雰囲気が異なります。
金色のトーンも、このたびは工夫が重ねられています。
土台をつくる「製作」、金を貼る「経師」、柱やたまぶちの色を塗る「塗方」、絵を描く「絵描き」とさまざまな職種の手を経て、舞台に登場しております。

伽羅先代萩』の「竹の間」の襖まわりの手直しをしているところです。上の写真の「御殿」とは竹の絵もちょっと雰囲気が変えてあります。

伽羅先代萩』の「竹の間」の襖まわりの手直しをしているところです。上の写真の「御殿」とは竹の絵もちょっと雰囲気が変えてあります。

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2015.09.21

9月歌舞伎座公演の「道具調べ」の様子をご紹介します。「道具調べ」とは、本番通りに道具を飾ってきちんとできているかを確認したり、手直しをしたりするもので、初日の数日前などに行います。


『紅葉狩』。菊の花も大道具の持ち分で、造花を舞台に飾れるように台に打ち付けて準備し、毎日の転換では舞台のよきところに配置しています。

『紅葉狩』。菊の花も大道具の持ち分で、造花を舞台に飾れるように台に打ち付けて準備し、毎日の転換では舞台のよきところに配置しています。

『伽羅先代萩』「対決」の場面。「白州はしご」と呼ばれる階段の位置を確認しているところです。 設置位置については、結構神経質にやっております!

『伽羅先代萩』「対決」の場面。「白州はしご」と呼ばれる階段の位置を確認しているところです。
設置位置については、結構神経質にやっております!

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2015.09.12

歌舞伎座ギャラリーさんのユニーク企画の特別映像「市川染五郎プレゼンツ「歌舞伎座の秘密 ~忍入舞台裏染色~(しのびいるうらはそめいろ)」が9/2より上映されています。染五郎丈が大道具の仕事を体験される貴重なシーンもあります!

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以下のページ内でも、少しだけ映像がご覧になれます。染五郎丈が幕を引かれたり、「出投げ」を体験されたりしています。
(この映像に登場している大道具は、弊社の鈴木でございます)


【歌舞伎美人】染五郎ご案内のムービー「歌舞伎座の秘密」歌舞伎座ギャラリーで上映スタート
http://www.kabuki-bito.jp/news/2015/09/post_1454.html


弊社の社員インタビュー(鈴木も登場)
http://kabukizabutai.co.jp/kabukiza/

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2015.09.02

9月歌舞伎座公演の「道具調べ」の様子をご紹介します。「道具調べ」とは、本番通りに道具を飾ってきちんとできているかを確認したり、手直しをしたりするもので、初日の数日前などに行います。


舞台の上には、いろいろなものを吊っていますが、次の公演に向けて、吊り替えなども行います。写真は、糸桜(桜の造花のカーテンみたいなもの)をいったんおろして、引き上げているところ。長いのでからまらないように、ぼぐしております。

舞台の上には、いろいろなものを吊っていますが、次の公演に向けて、吊り替えなども行います。写真は、糸桜(桜の造花のカーテンみたいなもの)をいったんおろして、引き上げているところ。長いのでからまらないように、ぼぐしております。


『伽羅先代萩(めいぼくせんだいはぎ)』の畳を片付けているところです。長いゴザのようなもので、「上敷(畳敷 じょうしき)」と呼んでいます。呉服屋さんが反物をクルクルと手早く巻き取るように、大道具もすごい勢いで巻き取っていきます!

『伽羅先代萩(めいぼくせんだいはぎ)』の畳を片付けているところです。長いゴザのようなもので、「上敷(畳敷 じょうしき)」と呼んでいます。呉服屋さんが反物をクルクルと手早く巻き取るように、大道具もすごい勢いで巻き取っていきます!

大道具の骨組みを作っている製作チームは、普段は松戸にいるのですが、この時期は歌舞伎座に詰めて、現場での最終作業や修正作業にあたっています。頼もしい後ろ姿です。

大道具の骨組みを作っている製作チームは、普段は松戸にいるのですが、この時期は歌舞伎座に詰めて、現場での最終作業や修正作業にあたっています。頼もしい後ろ姿です。

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2015.09.01

8月歌舞伎座公演の「道具調べ」の様子をご紹介します。「道具調べ」とは、本番通りに道具を飾ってきちんとできているかを確認したり、手直しをしたりするもので、初日の数日前などに行います。

『おちくぼ物語』の背景画を手直ししているところです。職種、男女を問わずみんな高い脚立もひょいひょい上っていきます。

『おちくぼ物語』の背景画を手直ししているところです。職種、男女を問わずみんな高い脚立もひょいひょい上っていきます。

『祇園恋づくし』の四条河原。

『祇園恋づくし』の四条河原。

『祇園恋づくし』の四条河原。料亭の提灯を取り付けているところです。この白い提灯には、京都の南座の川向かいにある料亭の名前が書かれています。

『祇園恋づくし』の四条河原。料亭の提灯を取り付けているところです。この白い提灯には、京都の南座の川向かいにある料亭の名前が書かれています。

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2015.08.25

大道具の転換には多くの種類があり、場面ごとにふさわしい技法で転換をしています。ハイテク技術が発達した時代ですが、歌舞伎では人と人との間合いや呼吸、芝居の流れを大切にしており、多くの場合、人の力で動かしています。
そうした人力による「転換」のひとつに「あおり」があります。大臣囲いにつけられた絵を本のページをめくるように折り返して絵を変化させます。あおりは原則として舞台の外側から内側へ折り返します。これは裏方の顔が客席に向かないようにとの配慮もあります。


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2015.08.16
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