7月1日より、歌舞伎座タワーの5階にある「歌舞伎座ギャラリー」で、特別映像『宙乗りができるまで』が上映されています(約20分)。6月に歌舞伎座で上演された『義経千本桜 川連法眼館』の「宙乗り」に密着したドキュメンタリー番組で、市川猿之助丈が御案内役をされています。
ふだんは見る事ができないリハーサル(舞台稽古)や、安全を祈願する祭事の様子、宙乗り目線のカメラ映像など、みどころ満載です。私たち大道具の働く姿も、ちらほらご覧いただけます。
上映の情報については、以下の歌舞伎美人のニュースに詳しく紹介されています。上映開始時間が決まっていますので、チェックしてからおでかけいただければ幸いです。
歌舞伎美人ニュース
猿之助の歌舞伎座ギャラリー特別映像『宙乗りができるまで』7月公開
http://www.kabuki-bito.jp/news/3423
2016年6月公演、準備風景(その2)
6月歌舞伎座公演の「道具調べ」の様子をご紹介します。「道具調べ」とは、本番通りに道具を飾ってきちんとできているかを確認したり、手直しをしたりするもので、初日の数日前などに行います。

『川連法眼館』の下手側の背景画です。こういう遠景を描いたものを「遠見(とおみ)」というのですが、これはお庭の風景なので「庭遠見」と言います。このたび忠信を演じる俳優さんにちなんで、水辺にはオモダカという白い花の植物が描かれています。

『木の実』に登場する椎の木です。この大木は、ちょっと楽しい演技をしますが、そのあたりは小道具さんの担当になります。
市川染五郎さんが監修された英文付きの歌舞伎の本『バイリンガルで楽しむ歌舞伎図鑑』(君野倫子著 大島明・マーク英訳 2016年 小学館)が発売されます。日本語と英語の二カ国語の表示で、写真もたくさん掲載されており、外国の方に歌舞伎を楽しく伝えることができる内容です。弊社の大道具の仕事についても4ページにわたってご紹介いただいております。ぜひ、ご覧くださいませ。
2016年6月公演、準備風景(その1)
6月歌舞伎座公演の「道具調べ」の様子をご紹介します。「道具調べ」とは、本番通りに道具を飾ってきちんとできているかを確認したり、手直しをしたりするもので、初日の数日前などに行います。

背景画を張り替えているところです。

『すし屋』の畳を作っているところ。舞台を組み上げないと、できない仕事も多くあります。
2016年5月公演、準備風景(その2)
5月歌舞伎座公演の「道具調べ」の様子をご紹介します。「道具調べ」とは、本番通りに道具を飾ってきちんとできているかを確認したり、手直しをしたりするもので、初日の数日前などに行います。

『男女道成寺』のための紅白の段幕を吊る作業をしているところです。

『勢獅子音羽花籠』の提灯。図案は、尾上菊五郎家の定紋「重ね扇に抱き柏」と替紋「四ツ輪」です。提灯屋さんが1つずつ手描きで仕上げておられます。
2016年5月公演、準備風景(その1)
5月歌舞伎座公演の「道具調べ」の様子をご紹介します。「道具調べ」とは、本番通りに道具を飾ってきちんとできているかを確認したり、手直しをしたりするもので、初日の数日前などに行います。

『楼門五三桐』。屋体も演技をして、舞台を盛り上げます。

初お目見得のある『勢獅子音羽花籠』。背景の建物は、神田明神(菊之助丈が挙式をされた神社)です。
2016年4月公演、準備風景(その3)
4月歌舞伎座公演の「道具調べ」の様子をご紹介します。「道具調べ」とは、本番通りに道具を飾ってきちんとできているかを確認したり、手直しをしたりするもので、初日の数日前などに行います。

『松寿操り三番叟』の舞台です。三番叟と書かれた箱は、小道具さんの担当になります。

『幻想神空海』の舞台。新作歌舞伎なので、いつもとは随分趣の異なる道具です。
2016年4月公演、準備風景(その2)
4月歌舞伎座公演の「道具調べ」の様子をご紹介します。「道具調べ」とは、本番通りに道具を飾ってきちんとできているかを確認したり、手直しをしたりするもので、初日の数日前などに行います。

不知火検校』は場面が多いお芝居で、たくさんの大道具が登場します。写真は、二階建ての屋体(やたい)。二階の部屋では、大道具の建具の担当が作業をしています。

『不知火検校』の最後の場面。大きな廻り舞台(盆)を使った、演出となっています。
2016年4月公演、準備風景(その1)
4月歌舞伎座公演の「道具調べ」の様子をご紹介します。「道具調べ」とは、本番通りに道具を飾ってきちんとできているかを確認したり、手直しをしたりするもので、初日の数日前などに行います。

『彦山権現誓助剱 毛谷村』の紅白の梅。お芝居の最後に、赤い梅の枝が演出に関わってきます。ちなみに、木自体は大道具ですが、俳優さんが手にもつ枝は小道具さんの担当となります。

『彦山権現誓助剱』「杉坂墓所」の大道具です。山道がいろいろ枝分かれしております。
2016年3月公演、準備風景(その2)
3月歌舞伎座公演の「道具調べ」の様子をご紹介します。「道具調べ」とは、本番通りに道具を飾ってきちんとできているかを確認したり、手直しをしたりするもので、初日の数日前などに行います。

祝幕の美術は松尾敏男先生です。弊社の絵描き(第一美術課)には松尾先生の弟子がおりまして、松尾先生の原画を元に、気合いをこめて大きな布地に描いていました 。

【ガチ袋コレクション】階段を手直ししているときの様子ですが、いろんな「ガチ袋」(腰にさげる道具入れバッグ)が写っていたので、ちょっとご紹介です。
ベテランさんから聞いた話。このガチ袋にはいろんな種類の釘を入れているのですが、出して目で確認せず、指でさわっただけですぐにどの種類の釘かわかるようになるよう、空いた時間に練習していたそうです。大道具の仕事はスピードが命です!