2014年7月公演、準備風景(その3)
7月歌舞伎座公演の製作準備や「道具調べ」の様子をご紹介します。「道具調べ」とは、本番通りに道具を飾ってきちんとできているかを確認したり、手直しをしたりするもので、初日の数日前などに行います。

『悪太郎』。絵描きたちが、松の手直しをしていますー。 これは切り抜いて形を作っているので、ちょっと形を変える作業も舞台上で絵描きがやっていましたよ。みんな大工系の仕事は一通りできます!

『夏祭浪花鑑』大詰の屋根を仕上げているところです。塗り方が瓦の脇に色の調子をつけていますね。 奥に見えている屋根の窓は「引き窓」です!
2014年7月公演、準備風景(その2)
7月歌舞伎座公演の製作準備や「道具調べ」の様子をご紹介します。「道具調べ」とは、本番通りに道具を飾ってきちんとできているかを確認したり、手直しをしたりするもので、初日の数日前などに行います。
たくさんの人がいるので、ちょっと解説。
(1)舞台の責任者から、製作担当へ指示が出されています。
(2)中央は舞台転換の担当者が縁側部分を運んでいます。
(3)その右側の女性陣は塗り方。
(4)背景画は、まだ松が描き加えられる前の状態ですねー。
(以下の写真をご覧ください)

2014年7月公演、準備風景(その1)
7月歌舞伎座公演の製作準備や「道具調べ」の様子をご紹介します。「道具調べ」とは、本番通りに道具を飾ってきちんとできているかを確認したり、手直しをしたりするもので、初日の数日前などに行います。

『夏祭浪花鑑』の「住吉鳥居前」。のれんを調整しています。

『夏祭浪花鑑』の「お鯛茶屋」。舞台に飾った背景画に、松を描き足しているところ。下書きなしで、あっという間に描いてしまいます。

『修禅寺物語』。屋体裏に、製作、塗り方、転換などの責任者が集まって、なにやら調整しているところ。

『夏祭浪花鑑』大詰の屋根を仕上げているところ。この屋根の上で、大立ち回りが繰り広げられます。
2014年6月公演、準備風景(その3)
6月歌舞伎座公演の製作準備や「道具調べ」の様子をご紹介します。「道具調べ」とは、本番通りに道具を飾ってきちんとできているかを確認したり、手直しをしたりするもので、公演前月の末ごろに行います。

『蘭平物狂(らんぺいものぐるい)』では、菊の花がたくさん登場します。
以前、歌舞伎の造花についての特集記事をつくりましたので、ご興味のある方はぜひご覧ください。
【連載】歌舞伎座の大道具を支える職人 造花
その1 http://kabukizabutai.co.jp/saisin/tokusyuu/369/
その2 http://kabukizabutai.co.jp/saisin/tokusyuu/520/
その3 http://kabukizabutai.co.jp/saisin/tokusyuu/535/

『実盛物語(さねもりものがたり)』。写真に写っている階段は「入れ歯」と呼んでいるもので、高さは七寸。ちなみに屋体(やたい)の高さは、「常足(つねあし)」で一尺四寸(階段の2倍の高さ)。このように歌舞伎の屋体の足の高さは、七寸が基本単位となっています。「入れ歯」は今回は1段ですが、『吃又』などでは3段の入れ歯が使われます。

この幕は「網代幕(あじろまく)」です。『蘭平物狂』では、御殿から奥庭へと転換する際に、この幕を使います。 歌舞伎では多種多様な幕が使われますが、幕の種類によって扱う係が異なります。大道具では、この網代幕などの「道具幕」、三色縦縞の「定式幕(じょうしきまく)」、「浅葱幕(あさぎまく)」など、たくさんの幕を担当しています。幕も種類や扱い方など、現場を追いかけてみると、なかなか奥が深い世界です。
2014年6月公演、準備風景(その2)
6月歌舞伎座公演の製作準備や「道具調べ」の様子をご紹介します。「道具調べ」とは、本番通りに道具を飾ってきちんとできているかを確認したり、手直しをしたりするもので、公演前月の末ごろに行います。

「所作台(しょさだい)」を片付けているところです。所作台をあげて、それから一人で担いで運んでいくのですが、あげるときには写真のように反対側を足でおさえてもらうと、やりやすくなります。 ひとりで所作台をあげようとしているところに通りかかると、大道具以外の人や女性なども、自然にひょいと足を添えて手伝っています。

『名月八幡祭』大詰の「火の番小屋」です。文字の入った出入り口の障子は「腰高障子(こしだかしょうじ)」と呼んでいます。
2014年6月公演、準備風景(その1)
6月歌舞伎座公演の製作準備や「道具調べ」の様子をご紹介します。「道具調べ」とは、本番通りに道具を飾ってきちんとできているかを確認したり、手直しをしたりするもので、公演前月の末ごろに行います。

『蘭平物狂(らんぺいものぐるい)』。所作(しょさ)の台をみんなで敷いているところです。

花道に所作を敷いているところ。

大奈落での作業の様子。限られたスペースを最大限活用しながら、準備をしていきます。
2014年5月公演、準備風景(その2)
5月歌舞伎座公演の製作準備や「道具調べ」の様子をご紹介します。「道具調べ」とは、本番通りに道具を飾ってきちんとできているかを確認したり、手直しをしたりするもので、公演前月の末ごろに行います。
5月2日に朝日新聞デジタルに掲載された記事にも、5月公演の準備風景が紹介されています。こちらも合わせてご覧いただけましたら幸いです。
【朝日新聞デジタル&W】
歌舞伎座の「大道具」ができるまで
http://www.asahi.com/and_w/gallery/20140502_kabuki/

『春興鏡獅子』の金の襖(ふすま)。「経師(きょうじ)」という紙を張る専門の担当者が金紙を張り、絵描きが牡丹の絵を描いて仕上げています。

『幡随長兵衛』の序幕「村山座舞台の場」。舞台の上に、また舞台! 劇中劇が楽しい趣向ですね。

『幡随長兵衛 水野邸座敷の場』の絵(庭遠見)を手直しているところ。絵は床にねかせて描くので、こうして舞台に飾り照明を当てた状態で、細かいところの仕上げをします。

大工(製作課)と色を塗る「塗り方」(第二美術課)は、千葉県の松戸で仕事をしています。 写真は、その松戸のゴミ箱。ビッグサイズです!(『春興鏡獅子』の金襖もちらっと写っていますね)
2014年5月公演、準備風景(その1)
5月歌舞伎座公演の製作準備や「道具調べ」の様子をご紹介します。「道具調べ」とは、本番通りに道具を飾ってきちんとできているかを確認したり、手直しをしたりするもので、公演前月の末ごろに行います。
5月2日に朝日新聞デジタルに掲載された記事にも、5月公演の準備風景が紹介されています。こちらも合わせてご覧いただけましたら幸いです。
【朝日新聞デジタル&W】
歌舞伎座の「大道具」ができるまで
http://www.asahi.com/and_w/gallery/20140502_kabuki/

松戸の製作場で『矢の根』の屋体を仮り組みしているところ

この写真に写っているのは、製作課のメンバーです

「道具調べ」で、『毛抜』の提灯を取り付けているところ
2014年4月公演、準備風景
4月歌舞伎座公演の「道具調べ」の様子をご紹介します。「道具調べ」では、本番通りに道具を飾ってきちんとできているかを確認したり、手直しをしたりするもので、公演前月の末ごろに行います(今回ご紹介する写真は、2014年3月末ごろに撮影したものです)。

『髪結新三』白子屋見世先の場の入り口を組み上げているところ。

『壽春鳳凰祭』。美術を担当された松尾敏男画伯の道具帳を見ながら、背景画の最後の仕上げをしています。

『髪結新三』には2つの橋が出てきます。写真は、最初に出てくるほうの橋(永代橋)で、板の目を描いているところです(塗方の仕事)。 これを描くにも計算やコツが必要。先輩から後輩たちへ指示が飛びます。
2014年3月公演、ばらし風景
千穐楽の終演後には、舞台上で道具を解体しはじめます。この作業を「ばらし」と呼んでいます。無事に1ヶ月の公演を終えたことに感謝しつつ、また翌月の準備に向けて気持ちを切り替えます。3月は千穐楽の翌日に「俳優祭」があるため、その準備も同時に進めました。

舞台上では3月の道具をバラす作業と、翌日の俳優祭の準備が進行中。

二階のロビーでは、模擬店などの設営を行っています。