その19 あおり(転換の手法)
大道具の転換には多くの種類があり、場面ごとにふさわしい技法で転換をしています。ハイテク技術が発達した時代ですが、歌舞伎では人と人との間合いや呼吸、芝居の流れを大切にしており、多くの場合、人の力で動かしています。
そうした人力による「転換」のひとつに「あおり」があります。大臣囲いにつけられた絵を本のページをめくるように折り返して絵を変化させます。あおりは原則として舞台の外側から内側へ折り返します。これは裏方の顔が客席に向かないようにとの配慮もあります。
2015/08/16