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その7 「浜松屋」ののれん

来月(2014年2月)、歌舞伎座では『通し狂言 青砥稿花紅彩画』が上演されます(夜の部)。昨年の四月に歌舞伎座が新開場した際は『弁天娘女男白浪』という外題(げだい)で浜松屋見世先の場や稲瀬川勢揃いの場などが上演されましたが、今回は序幕から通しての上演となります。ちなみに、今回と同様に歌舞伎座で通して上演されたのは、2008年5月でした。

『通し狂言 青砥稿花紅彩画(あおとぞうしはなのにしきえ)白浪五人男』

序 幕  初瀬寺花見の場  ←★2014年2月はここから全て上演
神輿ヶ嶽の場
稲瀬川谷間の場
二幕目  雪の下浜松屋の場  (←2013年4月上演)
同  蔵前の場
稲瀬川勢揃の場   (←2013年4月上演)
大 詰  極楽寺屋根立腹の場 (←2013年4月上演)
同  山門の場   (←2013年4月上演)
滑川土橋の場    (←2013年4月上演)

二幕目の「雪の下浜松屋の場」は、美しい武家の娘が一転して片肌を脱ぎ「知らざぁ言って聞かせやしょう」という名調子で客席を沸かせる有名な場面です。
この場面には2種類の「のれん」がかかっていますが、これは大道具の扱いとなっています。

浜松屋道具帳

『青砥稿花紅彩画 雪の下浜松屋の場』の道具帳

屋体の上のほうにかかっている長いものが「軒のれん(のきのれん)」。

軒のれん

軒のれん

下手側の入り口にある、大きな文字で店名が書かれているものが「日よけのれん」です。

日よけのれん

日よけのれん

現代の漢字表記では、「はままつや」の「はま」の字は「浜」を用いていますが、お芝居の中ののれんでは古い字体を使っています。「浜」の古い字体はいろいろな種類がありますが『くずし字解読辞典 増補版』(児玉幸多編、近藤出版社、昭和45年初版発行)には、以下の2種類の文字が主要なものとして掲載されています。ごくわずかな違いで、点があるかないかです。

濱

お芝居の中ののれんでは、字面のおさまりがよいので点のある (1) のほうを使わせていただいています。
浜の字
歌舞伎座新開場柿葺落
二月花形歌舞伎
平成26年2月1日(土)~25日(火)
http://www.kabuki-bito.jp/theaters/kabukiza/2014/02/post_71.html

2014/01/14
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