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その6 『松浦の太鼓』の玄関

2014年1月の歌舞伎座、壽初春大歌舞伎に『松浦の太鼓』が出ますので、少し道具をご紹介します。
『松浦の太鼓』は忠臣蔵外伝物の人気作で、赤穂浪士の吉良邸討入りの前日から当日を描いたお芝居です。今回ご紹介するのは、その最後の場面である松浦邸の玄関先です。まずは、道具帳をご覧ください。

『松浦の太鼓』松浦邸の玄関先の道具帳

『松浦の太鼓』松浦邸の玄関先の道具帳

この玄関部分の製作の様子を以下にご紹介します。

『松浦の太鼓』

玄関部分を「引き枠(ひきわく)」に組んでいるところ。

ふすま

ふすまの図案は、立涌に菊です。ちなみに『魚屋宗五郎』で、宗五郎の妹を手打ちにした旗本の玄関も似たようなスタイルです(ふすまの模様も立涌に菊の図案)。

舞良戸

赤い矢印は「舞良戸(まいらど)」といいます。一般の建築物にも舞良戸はありますが、歌舞伎の大道具ではそのエッセンスを取り出して芝居の世界にふさわしいようにアレンジをしています。 たとえば、本物の舞良戸はもう少し桟(さん)の目が細かいのですが、芝居の世界では、ぱっと見てそれとわかるように、桟の目を粗くし黒い縁をつけてあります。建具の幅も広いと邪魔になるので、細めにしています。

『松浦の太鼓』の演目解説(歌舞伎人HP)
壽初春大歌舞伎 平成26年1月2日(木)~26日(日)
http://www.kabuki-bito.jp/theaters/kabukiza/2014/01/post_70-Highlight.html

2013/12/20
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