その4 障子
歌舞伎には「障子(しょうじ)」がよく出てきます。下の写真は『野崎村』の屋体(やたい:家などの建物)です。ここで障子に注目してみてください。
一般の家の障子の骨は室内側に向いています(ご家庭に障子のある方は確認してみてください)。ところが歌舞伎の屋体では、外側に障子の骨が見えています。事実と照らし合わせると間違っている、ということになりますが、このほうがひと目で見て障子があることがわかり、それらしいということで古典作品の場合はあえてそのようにしています。一方、『狐狸狐狸ばなし』などの新しい演目では、現実世界にならって障子の骨は室内側を向いています。
おまけ:写真の右奥では、造花の担当者が梅の木の仕上げをしています。「造花」についての連載記事もありますので、ぜひご覧ください。
造花の連載記事(全3回)
http://kabukizabutai.co.jp/saisin/tokusyuu/369/
2013/08/14