社員紹介
先輩×後輩インタビュー
各職場で働いている社員が、日々の仕事内容や現場の雰囲気、入社当初の様子などを語りました。
「ものをつくる」
壱 製作課
切って、叩いて、
舞台専門の大工仕事

先輩:山岸由樹
1983年生まれ。製作課主任。日本大学理工学部航空宇宙工学科卒業後、自動車エンジン設計などの仕事を経て2013年に入社。現在12年目。

後輩:福間なおき
1997年生まれ。東北芸術工科大学芸術学部文化財保存修復学科卒業。2020年に入社。製作課に配属され、現在5年目。


「製作課」では、どんな仕事をしていますか?
山岸:歌舞伎の舞台には、さまざまな種類の舞台装置が出てきます。景色などを描いた大きな背景画、御殿などの建物や船、橋などの立体的な装置も登場します。その骨組みを大工さんのように木材で作るのが製作課の仕事です。木を切ったり、それを運んだりと一日中体を動かしています。
一般的な大工さんの仕事と、どんなところが違いますか?
山岸:ふつうの建物は作った後は動かしませんが、大道具の建物は製作場からトラックに積んで劇場に運び込み、公演がはじまれば舞台に飾り、芝居が終われば劇場内に収納するという風に、とにかくよく動かします。ですから、できるだけ軽く作って運びやすいように、でもぶつけて壊れないように丈夫に作らなくてはなりません。それから、舞台で転換作業をする人たちが扱いやすいようにすることも重要です。そして、一ヶ月の公演が終わったら壊してしまいます。


かなり特殊なものを作っていますね。
福間さんは5年目ですが、入社してすぐの頃はどんな作業をしていましたか?
福間さんは5年目ですが、入社してすぐの頃はどんな作業をしていましたか?
福間:ベニヤ板を使って決められた寸法のパネルを作る、という作業が多かったです。先輩方の仕事をするスピードがとにかく速くて、びっくりしました。仕事場では尺とか寸といった尺貫法*を使うのですが、なじみがない単位だったので慣れるまで少し時間がかかりました。
尺貫法(しゃっかんほう):尺、寸など日本古来の長さなどの単位。
毎日の仕事は、どんな風に進めていくのですか?
山岸:一人でやる作業もありますが、みんなで協力しながら作っていくことが多いです。サッカーのようなチーム競技と同じで、連携プレーが必要なんです。ですから、だれかに指示されなくても、自分がやるべきことを考えてさっとできる、という能力も求められます。
先輩である山岸さんから見て、福間さんのお仕事ぶりはいかがですか?
山岸:このごろは仕事の流れを先読みして、自分で考えながら動けるようになってきました。福間さんは仕事がとても丁寧なので、安心して仕事をまかせられます。
福間さんは、どんなところにやりがいを感じていますか?
福間:もともとモノを作りたくて入社したのですが、だんだん作れるものが増えてきて、うれしいです。最近では屋根も作らせてもらえるようになりました。道具を重くせずに強度を高めるにはどうしたらいいのか、もう少し勉強して、転換作業をする歌舞伎座課のみなさんが、扱いやすいと感じられるような道具を作っていきたいです。
(この記事は、2024年5月に取材した内容に基づいて作成しています)
(この記事は、2024年5月に取材した内容に基づいて作成しています)
